2024年 夏のデンマーク(+スウェーデン)の旅 インクルーシブ教育を探究する エグモント・ホイスコーレン武者修行


昨年度よりスタートした「エグモント・ホイスコーレン武者修行」。この旅行には「教育視察ツアー」というような名前はついていません。「武者修行」です。


デンマークの人たちはとてもワイルド。人生の旅そのものを楽しんでいます。せっかくだったら、ヒュッゲ(Hygge)と言われるような、彼らの楽しい空気を存分に感じられるような旅にはできないだろうか。そんなことを企画者である「私」こと藤原さとこたえのない学校FOXプロジェクト)が考えていたときに、心に浮かんだのが2018年に参加した「モンゴル武者修行」という遊牧体験ワークショップ。この企画は、主宰者の伊藤洋志さんが「衣食住そして交通手段すら自分達でまかなう分散型スタンドアローン的生活」を体験してほしいということでスタートしました。

 

「武者修行」では、着いてからやりたいことをその場でまとめていきます参加したときには、馬に乗って半日かけて誰もいない草原まで行ってキャンプしました。しかし、ゲルを傾斜のある場所に建ててしまった上に、夜に雨が降るというハプニングが。。とうとう内側にも水が滴り出し、真夜中にみんなで屋根にピクニックシートをはめ込む羽目に。朝、目覚めるころには、寝袋もびしょびしょ。その他にも娘が落馬し捻挫。宿の奥さんからおしっこで湿布することを推奨されたり、もうエピソードには事欠きませんでした。

 

でも、こうした着いてから何をするのか考える旅もいいものではないでしょうか? 添乗員がいる安全・安心の旅もいいのですが、アクシデント・ハプニングだらけのこうした旅は、数年経ってみるとかけがえのない思い出でいっぱいになります。そして、なにがなくともエグモント・ホイスコーレンという学校の文化そのものが「武者修行」そのものなのです。

 

エグモントの何が武者修行かはこの学校の映画『リース遠征隊』のトレーラーをみていただけると少し感じが掴めるかもしれません。2015年8月、急速に進行する脊髄小脳変性症の1つマチャド・ジョセフ病を持つヤコブ・リース(当時22歳)とその仲間7人が北ヨーロッパ最高峰、ノルウェーのガルフピッゲン山を登頂しました。ヤコブは車椅子に乗り、それを仲間達が押し進み、時には険しい道のりが何度もある中、車椅子を持ち上げたり、ヤコブを背負い抱えながら登頂に挑みました。

 

 

 

旅好きの人あつまれ!

そんな呼びかけに反応した、初回「武者修行」に集まった13人の猛者たち。少し先にデンマーク入りし、自転車を借りて市内を走り回っていた人もいれば、コペンハーゲンでちょうど開催されていたプライドパレードに参加したメンバーもいました。その他、希望者は集まってアンデルセンの故郷であるオーデンセまでの小旅行を一緒に楽しみました。行き帰りのフライトは自由ですが、ご希望の方は今年は一緒にスウェーデンを先に訪れ、スウェーデンの保育士、巽 朝菜さん※と「森であそぼうin Stockholm」を運営されている阿久根佐和子さんに世界遺産「森の墓地」にて森で屋外教育を実施いただきます。(標準旅程については、藤原さとが全て同行します)

 

(コペンハーゲンでのプライドパレードの様子)

※(参考)スウェーデンの保育士、巽 朝菜さんの教育新聞での記事
【北欧の教育最前線】民主的な環境教育 グリーンフラッグの旅
https://www.kyobun.co.jp/article/2023111111
【北欧の教育最前線】野外プリスクールの環境教育の実践
https://www.kyobun.co.jp/article/2023112511

エグモントホイスコーレンとは?

ここでやっと行き先の目玉、エグモント・ホイスコーレンについてご説明します。同校は、デンマーク・ユトランド半島にあるフォルケホイスコーレ(北欧独自の18歳以上を対象とした全寮制の学校)の1つです。約220名の学生のうち約4割は身体・知的・精神に様々な障がいをもっています。彼らは国のアシスタントヘルパー制度を用い、クラスメイトである障がいのない学生を雇うことで、食事や排泄、買い物や旅行といった日々の暮らしを営んでいます。

 

エグモント・ホイスコーレンでは、「よき人生」を実現することが求められており、ここでいう「よき人生」とは、自分の人生を自ら決定し、社会的に価値ある活動を通して、1人の人間として全うすることです。

 

(キャンパスのすぐ先にはビーチがあり、海で授業が行われています)

 

デンマークにおける人間にとっての自立(自律)とは、障がいの有無に関わらず、人生目標である「よき人生」を実現することが重要な事柄として考えられています。ここでいう自立(自律)とは、自分自身の人生を自ら決定し、社会の中で、すべての人がお互いに依存し、頼られながら育まれて行くものとして捉えられています。ひとりひとりが異なったユニークである存在であり、それ故に、お互いに尊重することをよしとしています。ここでは、自分と他者との対等な関係と連帯のもとで社会を形成し、オープンな対話を基盤とした、実践としての民主主義を実現することに努力がなされています。

 

エグモントホイスコーレンWebsite(デンマーク語:メインページの動画は参考になります)

エグモントホイスコーレンFBページ(日本語)

 

どんなプログラム?

コペンハーゲンに集合したら、皆で一緒にエグモントのあるHouという海辺のとても美しい町に一緒に行きます。昨年はバスとフェリーを使いましたが、コペンハーゲンから4時間。オーフスという中核都市から、ローカルバスを2本乗り継いでいきます。

 

宿泊するのは、キャンパス内の美しいVilla1分も歩けば海です。通常は保護者など関係者が来た時などに使うのですが、この度ご厚意で4棟空けてもらいました。ソファーベッドのある大きなリビングルームとツインの2ベッドルーム、バスルームが2つあります。デンマークらしいおしゃれで素敵な建物です。

 

 

こちらのVillaに3泊しながらエグモントホイスコーレンの授業を一緒に受けていただき、生徒たちと一緒にアクティビティをどんどんやります。昨年は、体育(障がい者ホッケー、ボッチャなど)ヨット、性教育、エディブルヤードの脇にあるキッチンでのガーデンの授業、水泳(立派なウォータースライダーがあります!)、などさまざまな授業に入らせていただきました。また、自閉症専門のFONDEN ORTINGという学校に行ったりしました。今年も森のようちえんや、エフタスコーレ(10年生(15〜17歳)を対象に1年間、親元から離れて学学校)など希望と先方の状況に応じて見学に行く予定です。また、コペンハーゲンに行ってからソーシャルダイニングでの食事会や世界一美しいと言われるルイジアナ美術館を訪れたり、学校見学などを検討中です。

 

(体育の授業に参加)

 

(ガーデンの授業)

 

最後の集合写真(日本人留学生、Riekoさん、体育の先生、Jasonとともに)

 

標準旅程(8月14日〜8月24日)

基本的な旅行スケジュールは以下を予定しています。個人旅行をする中で、みんなが集まって一緒に過ごす形態です。(コペンハーゲンーエグモント間のみは、基本的に一緒に行動します)
※個人旅行+研修(現地集合・現地解散)の方式については観光庁に確認しております。

8月14日(水)21:00 羽田集合
8月15日(木)羽田発(0:05)
         午後ストックホルム着  (ストックホルム泊)
8月16日(金)森のワークショップ(ストックホルム泊)
8月17日(土)午後ストックホルム発 夕方コペンハーゲン着(コペンハーゲン泊)
8月18日(日)朝エグモントへ (エグモント泊)
8月19日(月)エグモント (エグモント泊)
8月20日(火)エグモント (エグモント泊)
8月21日(水)午後コペンハーゲンに移動 (コペンハーゲン泊)
8月22日(木)コペンハーゲン観光・学校視察(視察調整中) (コペンハーゲン泊)
8月23日(金)自由時間・午後コペンハーゲン発 (機中)
8月24日(土)日本着  (成田夕着)


※検討中の標準フライト(各自自由手配:このフライトであれば藤原が同行します)
往路フライト:エミレーツ航空313
(羽田空港 0:05発  ドバイ国際空港 5:45着)・エミレーツ航空 157 (ドバイ国際空港 8:40発  アーランダ空港 13:45着
復路フライト:エミレーツ航空152
(コペンハーゲン空港15:35発 ドバイ国際空港23:45着)エミレーツ航空318 (ドバイ国際空港 2:40発  成田国際空港 17:35着)
※検討中のホテル
(一人で取るとルームチャージで高額となるので希望がない限りまとめてとります)
昨年はComfort Hotelでした。今年も同等のホテルとします。ホテルの金額が為替要因含め高騰しており、ルームシェアでも一泊22,000円程度を見込んでおります。ご了承ください。

 

費用について

A研修費78,000円(税込)
全体コーディネート・研修費用
こたえのない学校への支払い
B1航空券(中東系)168,300円(参考価格)
(標準フライトの詳細は上記をご確認ください)
※2024年2月時点のexpedia.comでの最安料金です(実際の手配時の金額とは変わります)
個人手配
エミレーツ航空ドバイ乗り継ぎ便利用
B2燃油サーチャージ・諸税93,190円(参考価格)
※2024年2月時点でのexpedia.comでの料金を参照、実際の手配時は変更となる可能性があります。
個人手配
エミレーツ航空ドバイ乗り継ぎ便利用
Cストックホルム宿泊料(8/15・8/16)44,000円(ツイン利用前提)旅行会社に手配依頼
Dスウェーデンからコペンハーゲンへの国際線航空券航空券 7,900円(参考価格)
燃油サーチャージ・諸税 6,960円(参考価格)
※2024年2月時点のexpedia.comでの最安料金です(実際の手配時の金額とは変わります)
個人手配
スカンジナビア航空
Eコペンハーゲンからエグモントまでのバス20,000円 (概算)
デンマーク国鉄(DBS)コペンハーゲンーオーフス往復(為替によって変更します)
個人手配
現地で各自支払います。
Fコペンハーゲン宿泊料(8/17・21・22の3泊分)66,000円(ツイン利用前提)
※2024年2月時点の料金目安、実際の手配時は変更となる可能性があります。シングル希望や、延泊・短縮の方は申し込み時に連絡をお願いします。
旅行会社に手配依頼
Gエグモント・ホイスコーレン滞在費2500クローネ
50,000円程度(為替による)
エグモント・ホイスコーレン滞在費3泊分宿泊+朝昼晩食費含む
現地でエグモント・ホイスコーレンに直接現金(クローネ)で支払い(事前に空港などでクロ-ネに変更しておくことをお勧めします)
エグモント・ホイスコーレンへの支払い
修行に関わる費用合計目安: 434,200円 +燃油サーチャージ・その他 ※G料金は5万円で計算
上記(434,200円)に含まれないもの
(為替変動・市場の変動により変わります。ご了承ください)
*海外旅行保険
*コペンハーゲン・ストックホルムでの食事代
*自由行動における費用
*燃油サーチャージ、国内空港施設利用料、海外空港諸税(2024年2月時点でのexpedia.comでは約10万円)
*日本国内の空港までの移動費用(往復)
*コペンハーゲン市内・ストックホルム市内での移動費用
*パスポート取得/更新にかかる費用 など。

 

渡航までのスケジュール(キャンセル規定含)

個人旅行+研修=修行の形態のため、以下のスケジュールを必ずご確認ください。

3月15日の説明会のアーカイブと昨年の参加者による報告会の録画を希望される方は
こちらのフォームよりご連絡ください。

2月23日(金・祝)順次申し込み開始
3月15日(金)
21:00-22:00 @ Zoom 無料説明会(手配やプログラムについて)
3月17日(日)第一次募集締め切り日。※定員14名(最低催行12名)
3月24日(日)旅行決定者A料金振込締切日
3月27日(水)
21:00-22:00 @ Zoom 手配説明会(アーカイブ付)
各自航空券手配スタート
4月12日(金)21:00-22:00@ Zoom 旅行決定者初回顔合わせ(アーカイブ付)
7月26日(金)21:00-22:00@ Zoom 旅行決定者2回目顔合わせ(アーカイブ付)
8月14日 標準旅程の方は羽田空港に集合

<キャンセル規定>
A料金についてはチケット手配に進まれることを前提としますので、基本致しません。
B・D・E料金については、各申し込み先のルールに合わせた入金スケジュール・キャンセル規定が適用されます。

 

この旅行にぴったりな方

・旅のアクシデント歓迎

・北欧の自由とユーモア、クレイジーネスに出会いたい

・やることを自分で決めるのが好き

・障がいがある生徒たちと友だちになりたい

・インクルーシブ教育ということをとことん考えたい

・自分は少しヘンだと思う

 

向かない方

・上げ膳据え膳のきめ細やかなツアー旅行が好き

・自分で航空券チケット手配などをするのは面倒臭いし怖い

・潔癖である

 

個人旅行とは違うメリット

・エグモントホイスコーレンとの連携により校内宿泊施設に泊まれる

・ストックホルム・コペンハーゲンでの宿泊について旅行代理店に手配委託

・航空券手配は推奨便のアドバイスと手配についての説明会あり

・成田・羽田往復便同行、エグモント・学校視察サポート(藤原さと)あり

・インクルーシブ教育に関する学び合いコミュニティへの参加

 

修行ナビゲーター

■コーノム 深澤理恵子先生
1997年にエグモントホイスコーレン留学。卒業後デンマーク人と結婚。現在息子は21歳。2001年よりデンマークのデザイン会社でコンサルタントとして8年ほど勤務。その後、母校であるエグモントに現在も勤務中。「障がい者のための性指導員」資格取得。日本国内でデンマーク人と共に講演会やサマーキャンプを開催しながらエグモントの魅力を伝える

■Michael kirch Jensen(ミケール キアク イェンセン)
高校教師を経験後、エグモントの教員として今年で17年目。映画、写真等のメディアを教える他、料理の授業も受け持つ。余暇の時間は陶芸に時間を注ぐ。「リース遠征隊」ヤコブのコンタクトティーチャー (教育新聞に掲載されたミケールのインタビューはこちら

■巽 朝菜(たつみ・あさな)さん
スウェーデンと日本の保育士。ストックホルムでサステナビリティ教育と子どもの権利を柱とするプレスクールに勤務して7年。森での遊びを中心に探究活動を実践、発達障害や障害を抱えた子どもたちの支援に従事。(教育新聞で巽さんが書かれた記事はこちら

■阿久根佐和子 (あくね・さわこ)さん
インド留学中に乗った飛行機で、隣に座ったフィンランド人保育士(夫)と知り合い、1989年よりストックホルムに在住。余暇活動指導員の資格取得後、野外活動主体の学童で働き、現在、日本人家族対象の遊びを通じて身近な自然を知る「森であそぼうin Stockholm」を運営。

 

こんな武者修行に参加したいという強者・変人がどれだけいるかはわからないのですが・・・是非ご一緒しましょう!FOX Project Founder (修行企画)藤原さと

今期の募集は終了いたしました!
たくさんの方にご関心を寄せていただき、ありがとうございました!

 

 

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